この記事は Roguelike Advent Calendar 2024 の12月8日のものです。
https://adventar.org/calendars/10237
こんにちはあるいはこんばんは、ベッキーさんです。
そしてKokaです。
変愚蛮怒の必勝法のひとつとして「モンスターに大量の強い味方モンスター(ペット)をけしかける」というものがあります。もちろん、下準備等が要りますが。
どんなに弱いビルドであっても、魔力復活薬がぶ飲みしつつサイキョーなペットのつよつよブレスを浴びせまくることで大抵のユニークモンスターの体力をがりがり削れるそうです。
私はためしたことないけどな!
変愚蛮怒にはズルという町があり、ややこしい。なんでそんな名前なのだ?
掲題はもちろん町の名前でなく、チートスレスレの要素、という意味です。チートスレスレのペットですが、魔獣使いや騎兵では当然許されるかもしれません。ペットを使わない魔獣使いという1ミリも面白くない縛りプレイを思いつきますが、まあ1ミリも面白くないでしょう。
バーチャ2のアキラの隠し技「崩撃雲身双虎掌(なぜか変換できる、ほうげきうんしんそうこしょう、通称アキラスペシャル)」は、その凶悪な性能ゆえ大会ですら使うとブーイングものだったそうです。それに近いのか、変愚蛮怒でペットを駆使することは、あえてやらない、もしくはあえてやる、強すぎる戦法になっています。
なぜ変愚蛮怒のペットがここまで簡単に強いのか? なぜこうなったのか? 歴史を紐解きます(大げさに言いすぎです)。
「ペット」とかいう奇妙な呼び名の味方モンスターシステムはどのへんからきたのか? 御存知NetHackで、運命の大迷宮に味方モンスターとして好きな名前の犬か猫を連れて突入するという泣ける場面があります。驚くべきことです。泣く場面です。犬猫を連れていける、ここからネトハクや*bandでは味方モンスターはペットと呼ばれることになりました。
一方無印Angband(バニラ)にはペットなどいませんでした。味方モンスターも、友好的なモンスターもいませんでした。「店」だけは友好的でしたが。
そこへ、当時最先端だったAngbandバリアント「ZAngband」がペットを実装してしまいました。あーあ。
しかし、この時点ではペットがバランスブレイカーとして完璧ではありませんでした。
ペットを飼うのは大変なことなんだよ。
という教訓なわけではないでしょうが、一部の限られた手段でしかペットを扱えませんでした。トランプ領域はサイバーデーモンを召喚できる! がっくやぶりの ひゃくばいやばいぜ! 生命領域の鳩の日(凪の日)で視界のモンスターをペットにできる! やばいよやばいよ(出川)。
ZAngbandでもペットは強力な要素でしたが、変愚蛮怒よりは少し「限られて」いました。
ZAngbandの時点では、3つほどの要素により、ギリギリペットのリスクと難しさがありました。
1つ目はモンスターボールが無かったこと、2つ目は@さんを巻き込んでブレスやロケットを放つこと、そして3つ目は進化しないこと。
この3つは御存知の通り、変愚蛮怒では、モンスターボールがあり、またプレイヤーをまきこまないでねとペットに命令でき、敵を倒しまくったペットは進化します。
この上記3つですが、もちろん、変愚蛮怒を面白くしています。モンスターボールで捕まえて、増殖系モンスターをペットに倒させて、強いのを育成する。楽しいです。
なぜモンスターボールがあるのか? これは大むかし、ZAngbandが最先端だった頃、newsgroup(太古のネット掲示板のようなもの)の誰かがローグライクのアイデアとして半ばジョークで言い出したことがきっかけです。”Mumak! I choose you!” ZAngbandには採用されませんでしたが、SillyJNetHackには採用されました。
SillyJNetHackって何!?
Kokaという人が書いたNetHack日本語版のバリアントです。詳細は割愛しますが、モンスターボールというアイテムも追加要素の一つでした。
ただし! is_animal(monptr) でTRUEが返ってくるモンスター(要するに自然界の動物に属するモンスター)にしか効きませんでした。なぜかというと、まあ……NetHackのペットはZAngband以上にぶっ壊れ性能になりうるからとかバランスってやつを考えていたのでしょう。残念ながらエルフを捕獲できませんでした。
もどって、まあそういう時代だったので、変愚蛮怒では当然のようにモンスターボールが実装されました。捕まえられるモンスターの種類にほぼ制限がない理由は知りませんが、最大HPが一定以上の非ユニークモンスターは大抵捕獲できてしまいます。人間だろうとなんだろうと、どの職業でプレイしていても、簡単に「ペット」にできます。さらに、進化させられます。
そして、ペットが主人を巻き込まないでブレスを吐くよう命令できるので、ZAngbandに比べて安全ですらあります。ペットのサイバーデーモンといっしょに敵を殴ってるとたまにロケットでエライ目に遭う、とかいうこともありません。
あとはもう言う必要ないと思いますが、こうして、変愚蛮怒のペットは楽しく、かつ、つよつよになったのです。暗黒領域魔法で死体を集めて死体蘇生とかもありますね。楽しい。問題は楽しいということかもしれません。
あえて使わないか、あえて使うか、まあ楽しく遊ぶのが良いでしょう。
ではまた。