じっくりコトコト煮込んだスープ

って嘘だろ?だって明らかに、スープを食べるまでに煮込む過程が無くて「粉にお湯を注ぐスープ」でしかない。どのへんがじっくりなんですかぁー?
という日頃の疑問を解消すべく私はマッスルだかルノワールだか日精だかしらんがそのへんの製造工場に足を運んだ。
どうせ、畑に肥やしを撒く農民さながらに従業員が材料を材料タンクにドバドバのみこませてそれをマッシーンが咀嚼に継ぐ咀嚼の後、検針・小分け・包装してそしてドバドバ製品を排泄する、とかそんなんだろ、といったイメージをしていた。だが違った。
畑に肥やしを撒く農民さながらなところは全く想像通りであったが、予想を裏切る大事があった。じっくりコトコト煮込む過程は実際にそこにあったのだ。
機械の鉄板の上にぶちまけられた粉がコトコトと煮込まれているのだ。それはコトコトとしか形容できないほどコトコトであり、煮込むとしか言いようがないほど煮込まれていた。もちろんKOTOKOも一緒にその灼熱煮込み地獄に参加していた。
それを「じっくりコトコト煮込んだかのようなスープ」と揶揄する私の愚かしい日々は、黄金色の陽炎に降り立つ歌姫によってガンジスの流れに洗い流され消え去っていった。
真実は、素晴しかったのだ。