おもみ

地球の最後は?
凄まじい嵐が吹き荒れて、海や火山は沸き立ちあふれ、凄まじい暑さ(あるいは寒さ)のなか、避難するために凄まじい交通パニックが起こり、また私のような引きこもり精神で生きる人たちは凄まじい引きこもり力で「まつりだまつりだやくいやくい」と凄まじく叫んでいる。
なんだかんだと、あがいたり、あがかない人はあがかず、凄まじい暑さ(あるいは寒さ)で人間は三丁目の田中さん以外の誰も生きていけなくなって、終わる。
そんなヴィジョンは誰でも想像のつく範囲だった。
そんなテンペン地異は何によって引き起こされてしまうのか?
30%以上の人がそれが隕石の落下によるだろうと思っていたことがあるという。
終わるうー滅びるうーと三丁目の田中さん以外の誰もが思う、という事態を引き起こすのは「隕石が落ちてきて」だろうな。人々のそういう意見はアルマゲドンという映画の公開でピークに達した(ちなみにそこでピークに達したということはつまり、その映画公開時点の以後徐々に「そのアルマゲドンはないだろ(笑)」へと下降していったということである)。
しかし実際のところは、隕石の到来ではなかった。
じゃあ核戦争かというと少し違う。
なるほどそれじゃヴォゴン人の工事で撤去されたんだな、というのは大分違う。
結論を言うと、地球は“重み(おもみ)”で潰れた。冒頭で述べたようなテンペン地異もセットになっていた。そして終わった。
これは21世紀ゼロ年代に大流行した「自重(じじゅう)しろ」や「自重(じじゅう)しろw」という言葉が元で引き起こされたという。
「そんなにいうなら自重(じじゅう)してやるよ」と考えた地球人のうちのひとりが重くなり、自重(じじゅう)を強め、その重みで地球は潰れてしまった。
どうやって重くなったのかは定かではない。とにかく重くなり、彼の自重(じじゅう)は凄まじいものだった。
彼はスーパーファミコンWindowsをインストールした人物であったという。
その地球人の行動が「自重(じじゅう)自重(じじゅう)」と散々言われたせいだとわかったのは2045年になってからだった。
最大の問題が何であったかは未だに決着のつかないところだ。
自重に読み方が複数あるなどのつまらないダジャレが存在したのが原因か。
じじゅうじじゅうというのはつまりゆとりの弊害か。
スーパーファミコンの本体とWindowsが原因か。
任天堂マイクロソフトの存在がいけなかったのか。
誰にもわからない。いまのところは。
これに決着をつけるのは“最後の人類決戦(ラストマンスタンディング)”といわれることになるであろう人類同士最後の戦いである。
この「彼VS三丁目の田中さん」は月面のさいたまスーパーアリーナ2ndで行われる予定で、次の週末にゴングだそうだ。