人に薦めたくなるほど面白い

たとえば自分はAngbandが好きだが「Angbandと同じくらい面白い」と説明するとAngbandの面白さを知らない人には全く伝わらないので、より抽象的な評価のしかたをすることになる。
そのうちひとつが「人に薦めたくなるほど面白い」といって人に薦めるハナシになる。
だがある日、あるマンガを人に薦めている人を(ネットで)見かけたとき、そのマンガを既に連載で読んでいた自分はそのマンガに対してひどく凡庸な地味な印象でとくに魅力を感じていなかったのがある程度もう少し深く読んでみようと少しは変わったものの、いぜんとして単行本を買うほどではなかった。
本当に人に薦めたいとその人は思っていて、つまり実際に面白さがどこかにあるのだろうけど、私はそうは思わなくてただの傍観者なのに申し訳なく思ってしまい、また自分がリアルで何かを薦めるとき同じように思われていると考えるとより申し訳なく思ってしまう。
それの反動か何かで、このブログではなるべく好き勝手に「世界最高の」とか「マジ感動した」とか「伝説」と書くようにしていたのかもしれない。
☆☆☆☆☆☆
そして、前段落の話のマンガとはとくに関係ないのだけど、マガジンで今一番面白いのは「第九なんとか団」である。ググると「第九征空騎兵師團」というのが正式名称だそうだ。べつに単行本は買わないし、人に薦めもしないけど。
ロケット弾が何回か主人公の近くで爆発しているのにその爆発ではなぜかたいして怪我をしていない場面など『スナッチャー窃』に続く《超テキトーイズム》を体現するマンガとしてマガジンでは最も期待している。
主人公の特殊能力を最大限発揮するシステム(特別な戦闘機機体の操作インターフェース)が具体的にどういうものなのかよく描写されず、全体的に流体模様トーンであらわされたところなどにも感動した。
もちろん、ヒロイン(重い金属製の機械の(?)左腕をもつ)のかわいさは普通に評価できる。
中二病の壁(中二病だから“否”としてしまう現象)を乗り越えてみると面白いと思える、と思う。