パ……の技を思いついた「パックマンディフェンス!」

パックマンディフェンス!」
「あれは……パックマンディフェンス!」
「知っているのか?」
大陸に名を轟かせた拳聖・南無虚はある夜、屋敷の中央に出現した四体の亡霊に襲われたという。部屋で目を覚ました南無虚は、おびやかす亡霊たちの気配にも慌てることはなかった。南無虚は廊下に「拍」という魔除けの気の源をあらかじめ用意してあるパターンで等間隔に並べ、魔法陣を作っていたのだ。南無虚は魔法陣の拍をたどりながら巧みに亡霊を誘導し、ついに「羽羽柄差」の曼荼羅(マンダラ)を完成させ、四体の亡霊を一網打尽にした。このとき使われたこの亡霊からの防衛術は「拍羽曼防御」として現在まで語り継がれている。敵対的買収への逆買収を指す言葉「パックマンディフェンス」という語は、亡霊にすら慌てることのない南無虚の落ち着きと反撃の様子に由来する。(民明書房刊『万代よりの防衛術』より)