マガジン『A-BOUT!』のハモリズム

構図とループ感は2010年代版の刃森の域に入っている。
倒された登場人物自身が「俺は殺さなきゃ止まらないぜ!」とか言って立ち上がって殴るループ、それが根性のみでなぜか踏ん張って勝つ主人公キャラではなくて、狂気を感じさせる完全な敵役のほう。そういうのが自己批判的なセリフ等で(今のところは)茶化さず(一見のところは)マジでやっているのも刃森的で、笑えるし、熱い。
このマンガの世界観を端的に表していてかつ最高に笑えたコマは、樋口先輩というフードとゴーグルのキャラが下級生である主人公達のケンカを見に出たきたところ。その場のみなは
「なぜ3年がここに‥‥!?」
と驚く。「3年」がレベル1の戦士の前に現れたレッドドラゴンのような存在である異世界が見える。