クッキングコロシアム
「料理の鉄人」の舞台はなんか違う呼び名だった……「キッチンコロシアム」か。
アリアンロッド・リプレイ・ブレイド(2) クッキングコロシアム (富士見ドラゴン・ブック)
- 作者: 丹藤 武敏,F.E.A.R.,菊池 たけし,bob
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2011/06/18
- メディア: 文庫
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まず各話のタイトルからしてすごい。東方世界(あの東方ではない)を舞台にしたデータ、キャラおよびお話というコンセプトのシリーズの二冊目だが、
第三話「おんみつ姫VSタイガー必殺拳」
第四話「悪の天才料理人その名はテイエン!? 非情の兄弟料理対決!」
このノリはむしろついていくしかない。
第三話では「闘将!!拉麺男」のネタが登場する。しかし最後までプレイヤーもGMもラーメンマンやゆでたまごの話で脱線した場面が収録されていない。ボスキャラがエネルギー体のトラを出したところでは、ラーメンマンの伝説的なシーンしか思い出せない。そうしてラーメンマンについて思い出し笑いし続けつつ戦闘が進むとタイトルの「タイガー必殺拳」に秘められた仕掛けがある。そしてその仕掛けすらももはやゆでたまごの偉大さをあらわすことに至っている。なぜこの本に一切ゆでたまごともラーメンマンとも書かれていないのか。
第四話は料理対決。主に北斗の拳の世界の悪役が活躍する。食材集めと、史上最大級の料理対決が描かれる。なぜかどの場面も明確にイメージできる。モヒカン集団にさらわれて石の城に閉じ込められて過酷な労働を強いられる人々を助けるというシーンに正確なイメージがあるとは思えないが、お約束の力なのか。いや単に北斗の拳だからか。こちらもタイトルの一部を途中で見返すことになる。
「ハートフルデストロイギャグ」というジャンル(そんなジャンルあるのか知らんが)がこの固有名詞がカタカナのファンタジー東方という舞台、このRPGリプレイという形式で見事に大成功している。プレイヤーの存在を介して信頼できるツッコミ&ボケがあり、ギャグのシナリオとキャラが成り立ち、盛り込まれた時代劇や古典的映画や漫画のお約束はひどくハートフルに観劇できる。《トルネードブラスト》は「ハトビーム」に置き換え可能だ。