「空が灰色だから」の読後感の短編小説

http://d.hatena.ne.jp/kokarage/20120628/p1
で具体的には思い出せなかった分を書く。
「感動的」ばかり言いすぎだが、これらに共通する「すごい読後感」はまず感動的で、その正体を分析するなどせずすごいすごい言っていたい。
以下で挙げるのが「空灰」読者ならあの読後感といえばわかる読後感のうちのどれかを味わったもの。

「黄色い金管楽器の調べ」チャールズ・ボーモント

闘牛士の話。バッドエンドに向かうかと思うところで、そのバッドエンドへ向かい、最も感動的なそのバッドエンドで終わる。そしてその後味は全く全滅ゲームオーバーなバッドエンドのそれではなく、ハッピーですらあり感動的。

ビアンカの手」シオドア・スタージョン

これは話自体も空灰にありそう。きれいな手フェチで手の持ち主と結婚した主人公の視点で手が何かをしているさまが書かれる。きょう気的ユーモア系。

「こまどり」ゴア・ヴィダール

「幻想と怪奇」とかいう本に入っているやつ。タフガイを自称する少年の話。

「肩当て(The Harness)」ジョン・スタインベック

あらすじはめんどいので書けないが、普通なら人の救いとなる信仰によって絶望する。

「聖処女ケティ」スタインベック

雌豚ケティの話。やりたい放題の皮肉で教会の聖人てやつをいじり倒すが、この話がとても感動的なのがすごい。感動的だと思うやつバカだろと思うが、感動的。

ほかにも

いろいろあるはずだけど、タイトルどころか内容も覚えていないのでうかつにあげられない。
共通するのは、短編に凝縮され、キャラ(人物)に感情移入して話が動いて、そしてなにより感動的。
「感情移入」が頭悪そうな語だけど、ページをめくったらそのキャラ(人物)の世界がバッドエンドかハッピーエンドどちらになるのかを本気で期待と不安をもって追える世界が空灰の描写にはある。(そうではないものは感情移入のできないものといっていいはず)
まとめると「異色作家短篇集」は図書館にあったらマジオススメなのです。