魚みたいな声

ある小学校の運動会でパン食い競争が行われた。パン食い競争ではあるが、パンではなく、マシュマロを使っていた。安く済むからという理由か。マシュマロを吊るして、それを競技者はコースの途中で口だけで咥え取り、ゴールへ向かう。なんともない、なんの事故も起こるとは到底思えない状況だ。だが、その競技のメインの部分で事故が起こった。競技参加児童の一人が犠牲者になった。マシュマロは、釣り針に引っ掛けてあった。彼はマシュマロと釣り針を両方飲み込んだのだ。周囲が異変に気が付いて競技は中断される。彼のノドから出る糸をひっぱると、彼はうめいて痛みを訴え、糸はノドから抜けない。ノドの奥にしっかりとカギ状の針が引っかかっているのだ。
そのへんまでしか覚えていない。私が小学校低学年のころに電車の中でオバサンが読んでいた女性誌への投稿記事として載っていた話。
普通に考えたら釣り針を使うという時点で当然起こりうると想定できる事故としか思えない。本当に釣り針なんか使ったアホがいるのか? というところを考えると、これも、都市伝説になってしまうのだろうか。

文部省には是非、「パン食い競争には必ずパンの袋を洗濯バサミでとめたものを使うこと」を各教育委員会に厳命していただきたい。怖いから。怖すぎるから。

ついでに:これを針ではなく先を丸く結んだ糸で代用してマシュマロを使ったとしても、それに前歯が引っかかってズキョっと抜けてしまうという事態も起こりうると考えられる。恐ろしい。