モンハンのすごさ:その1「アイテム所持数」

この記事は過去に予告した下記記事の本文です。
http://d.hatena.ne.jp/kokarage/20111023
モンスターハンターシリーズ(以下「モンハン」)を全く知らない人にむけて書く。
これだけ知れたゲームのすこしプレイ始めればわかる基本システムのことを説明する馬鹿馬鹿しさはやはりぬぐえないので30分くらいでダカダカ書きちらす。

1. アイテム所持数 薬草を持ち歩く*1

ここでは話を通じやすくするため「HP回復アイテム」のシステムのごく一部についてだけ語る。
モンハンで一番安く、簡単に手に入り、HP回復量が最少級のアイテムは「薬草」である。次が「回復薬」、回復薬よりとても強い「回復薬グレート」、完全回復+HP上限値をMAXにする「秘薬」となる。
そういうラインナップになっていたとき、他のゲームではどうなっているか? プレイヤーはどうするか?
「回復薬」や「回復薬グレート」がいくらでも買えるほどお金などリソースが溜まったら、強敵相手には「薬草」は持たずに「回復薬グレート」を薬草のかわりに沢山持ち歩くことになる。と、モンハンを知らない人なら考えるだろう。またはコストパフォーマンスとかなんとかいいながら「小回復」「中回復」「大回復」「全快」の中から「中」をえらんでそれを大量に持ってみたり。
しかしモンハンはシステム的に「薬草」を持ち歩く価値のあるものにしている。
そしてそれは単にリソースの節約ではない。
「薬草」「回復薬」「回復薬グレート」はそれぞれ10個まで、「秘薬」は2個までしか持てないのだ。
アイテムスロットは、三種類を持ち歩くと
薬草 x10
回復薬 x10
秘薬 x2
のように三つ使うことになる。
戦略的には、ほとんどダメージを受けないクエストなら回復薬グレートだけを持っていってスロットを節約することもできるし、たとえば初見モンスター相手に長期戦に備えるなら回復アイテムが多いほうがよくて、全種つまり「薬草」まで持ち込む意味がある。
他に、「薬草×アオキノコ→回復薬(調合成功率95%)」や「回復薬×ハチミツ→回復薬グレート(調合成功率90%)」という調合のため「アオキノコ(薬草と同じで最大10個まで)」をスロットを消費して持っていくこともできる*2
これらのシステムは筆者にはすごい発想に見えた。
筆者の中のゲーム製作者的な考え……本気でボスに挑むには回復アイテムは回復薬グレートで埋めとけばいいんじゃねえかとなり、また「99個までスタックで1スロット」もしくは「このアイテムは1個しか持てずスタックしないので3個持つと3スロット」とかいうどちらかしか製作者は選べない。
それらの悩ましい考えを、モンハンは「薬草は10個までしかもてず、秘薬は2個、いにしえの秘薬は1個」と、そういうゲームシステムなのだ、なぜならそうだと面白いから、とついに一蹴してくれたのだ。
きっと秘薬はフルプレートアーマー並にかさばるからザックに2個しか入らないんだよ、とか理不尽さを無理やり解釈する必要すらなく、単に2個しか持てないから2個しか持てないのだ。それでいいんだ。それでよかったんだ!
もちろん、これが完璧な解でモンハンは理想のゲームという話ではない。
けれどこのシステムがモンハンのゲームシステムの欠かせないピースですごさのひとつだと説明したい。

*1:持ち歩くというより「クエストに持ち込む」となる

*2:この一行だけでゲームマニアには意味がわかると思う