おみくじ「吉」

初春の“あたたか味”はこころなしか冷たい風をやわらげ
住吉は玉吉に似ており
芽吹は熟語の連呼を練習してきたのがあきらかとみれば深刻にとられようとしていないのか?
芽吹が何にも一所懸命でないこと人一倍としたらたとえばノ宮は一体何に対して真剣であるのか?
薄赤色の不協和音のなかで本気で何かをやろうとしているひとはいないのではないか、もう物語の中でも、確固たる信念はどこにもないのではないか? 不確定のうねりだけしかないのではないか?
否いや、不確定などない、何かがなされればそう運命づけられていることを自ら運命づけることができるし、なせばなされる