進化の言霊(ことば)

人類が類人猿と大して変わらなかったところから現在のホモサピエンスへと区別されることになったりしているうちに成り立ってきた最大のモノが、言葉だ。
人類のみが真に言葉を持っている。
類人猿から人類へと進化する途中では信じがたいほど大規模の淘汰があった。その淘汰の一つが、ある種の概念を言葉にすることにより起こされたという説が有力になってきている。言葉により説明したり、定義された言葉で思考することができるようになった時点で、その言葉によって、原始人の一個前あたりの人類のほとんどは滅亡した。「言葉を曖昧にとらえる能力」が現人類にはある。現人類はある意味アホウとして進化したのだともいえる。原始人一個前あたりの存在の八割を滅ぼした言葉というのは「呼吸」と「肺」で、一割は「心臓」で滅びた。「呼吸」という概念を考えることになった原始人よりちょっと前の存在のほとんどは、呼吸することを言葉にしてそれを意識しているうち思考が無限の渦に捉えられて「呼吸」を意識せざるをえなくなったがため発狂して衰弱死したという意味だ。そして残り一割は言葉を適度に曖昧にとらえてかつ逐次的に忘却する能力があったため、つまりある意味アホウだったため生き残っていて、その生き残りが現人類となっている。人間が「肺」と聞いてもそれで永遠に呼吸を意識して発狂することがないのは、そういう進化の賜物なのだ。