ニンジャスレイヤー

って何?
と最初のほうだけ読んだ。
スナッチャー窃に足りなかったのはこれだ! ニンジャだ!
窃は充分面白いが、サイバーパンク風味と評したときの窃は、その風味を強めるための「日本への憧れ*1」が足りなかった。アンドロイドの具道(そなみち)が日本好きというギャグ設定や日本刀がちょっと出てきたりはあったが、「ニンジャ(忍者とは違う)」のようなズレた日本こそがサイバーパンク風味に欠かせなかった。窃は近未来日本の都市らしきところを舞台にしてはいたが、内容はブレードランナーマトリックスの絵に、ハリウッド的サイバーパンクに憧れてしまっていた。
実はサイバーパンクに見える作品のその流れの本体は、サムライ・ニンジャだった。日本に住んでいる日本人は歴史を踏まえて適当に歪んだ信長や侍を出すが、真のサイバーパンクに登場する「日本への憧れ」からくるチバシティシュリケンさらりまんそしてニンジャなどは、「日本への憧れがあるサイバーパンクの舞台への憧れ」というふうに隔壁を通してしかそれらを見られない日本人には、到底つくりえないように思える。しかしそれらの反省を踏まえればあるいはつくりえる。

*1:ここでは創作の元ネタ設定として魅力的だという意味で憧れという