伝説のノスタルジア“丸便所(まるべんじょ)”

人間が立っているところを地面に描いた曲線からなる丸で囲むと、
囲まれた人間は「丸便所になる」。
この丸の線の一部に交差する線(垂直±80°くらい)を引くと「丸便所を切る(斬る)」ことができる。
「丸便所になる」のを阻止するには、
丸便所を切るか、すぐに丸便所の外に出るしかないと一般にいわれる。
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丸便所の9割は一歩〜二歩の直径の小さな丸便所であるが、これは丸便所の完成から1秒もせず切られてしまうか脱出されてしまう。
丸便所を切られずターゲットを強力に丸便所にするには、大きな丸を描くことが効果的であるが、
大きい丸便所の完成にはもちろん時間がかかってしまう。
大きい丸便所の為には隠密行動能力(ステルス)が必要になる。
グラウンドを何気なく歩いている振りをしながら、ターゲットに気付かれずにターゲットを囲む大きなサークルを描くのだ。
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大きいものであるほど、より「丸便所になる」と信じられている。
だがグラウンドを一周して描くような丸便所は、
完成したところで丸便所といえないとされてしまう場合も多い。
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呪術の一種である丸便所、
「丸便所になっ」てしまったらどうやってキャンセルすればいいのだろうか。
深刻な問題だ。
このような呪術が完成してしまったら、約6.9時間の間は丸便所になってしまうのだから。
これは、誰かにタッチして移すという、呪いを感染性ウィルスのようにまく方法もあるが、それは平和的ではない。悪意が何もないところから発生して撒かれているのに近い。
この丸便所になったときの真の対処とは、それを信じないことである。
馬鹿馬鹿しいと撃ち捨てれば丸便所になろうがなるまいがもはや、丸便所は撃ち捨てられる。
呪術の狂騒のさなかにあってそれはもはや簡単ではないし、場合によっては危険や痛みすら伴うが、
「“信じない力(パワーオブアンビリーバー)”により、大抵の魔術や呪術は退けられるのだ」、
ということを、この文章を読んだ人にはわかっていただけるだろう。